もともとはこの映画を観る予定ではなかったのですが、「博士の・・・」は日本語字幕スーパー付でちょっと困っただったので、こちらにしました。いずれにしても観る運命でしたので。
「
ホテル・ルワンダ」がまだ大きく心に残っているので、きつい気もしましたが12歳の息子もいることだし、見ておくべきと勇気をもって観にいったわけです。
エルサルバドル・・中南米のこの国についてはルワンダよりももっと知らない国でした。1980年から内乱があり、政府軍とゲリラの闘いが激化するなか、12歳になった少年は兵士として連れて行かれるのです。
このお話は、政府軍とゲリラにはさまれた街で暮らす11歳のチャバ(カルロス・パディジャ)が語っています。父がアメリカに行ってしまい、残された母(
レオノラ・ヴァレラ)に「お前が頼りよ」といわれて姉と小さな弟を守って懸命に生きています。外出禁止の時間がすぎると、政府とゲリラの撃ち合いが始まりおびえる日々です。
チャバはその目でいろんなことを目にすることになります。
初恋や、友達たち。神父様やバスの運転手たち。
みな恐ろしい戦火の元で、必死に暮らしています。
チャバが恐れているのは12歳になって兵士にされること。
でもその日はやってくるのです・・・
わが子がこの立場になったら?、と
問いかける映画なのかなと心していったのですが、そんな甘いものではありませんでした。
いろんな心が痛む事件が多い日本になってしまいましたが、「内戦」はありません。
その立場になることはないのです。今は。
ルワンダでもエルサルバドルでもまだ残る「内戦」。
韓国だって、「内戦」といえばそうですよね。同じ民族なのだから。
その闘いはどれほどつらいのでしょう。
計り知れるわけがないのですよね。
まして12歳の子供たちに銃を渡し、人を殺させているわけです。
生きていくためには、どちらかの側で戦うか逃亡するかしか選択がないのです。
アフリカの少年兵に関してもこの間TVでやっていました。
みな誇りをもった兵士になってしまうんですね。
・・・それが一番怖いです。
チャバは、脚本を書いた
オスカー・トレス自身だそうです。
戦争は一応終結したのだそうですが、政府軍はタブー視しているそうです。
でもいつか語りたかった。そして
監督と作り上げた映画でした。
子供に恐れのみを残してしまったから、ゲリラが増えてしまったそうです。
子供が子供でいられる国であればいいと思います。
そのために何を残せるのか、世界の大人が考える時だと、この映画もまた伝えていると
思います。
この映画は、日本の子供たちにみせるべきものだと思います。