まあ、このちびさゆり=千代ちゃんのうまいこと、うまいこと。
日本の映画かと思っちゃいました。彼女だけ。あと桃井かおりね。
冒頭から千代ちゃんが花街に売られていくまで、日本語が飛び交い、異様な日本の駅(ブレードランナーみたいだった)を通り、違和感が結構ありました。
でもちいさい千代ちゃんが英語でセリフをはじめた頃から、そんなことはどうでもよくなっていました。
姉と離れ離れになり、芸者の置屋で下女になった千代(大後寿々花)。売れっ子芸者の初桃(
コン・リー)にいじめられながらも、おかあさん(桃井かおり)やおカボ(英名=パンプキン)(工藤夕貴)の元で耐えながら生きています。両親も死に、姉とも会えなくなった千代はある日、会長(渡辺謙)と知り合い、彼のために芸者になろうと心に決めます。
そして15歳になった千代(
チャン・ツイィー)は、初桃の策略によって端女(はしため)として置屋にいましたが、そこに初桃のライバルである豆葉(
ミシェル・ヨー)が千代を一人前の芸者にすると宣言。そして、千代は「さゆり」として精進していくことになり、会長さんとの運命は・・・
チャン・ツイィーもとっても可愛い。帰り道に、代わりになる日本人女優はだれかいないかなあと一生懸命考えましたが、どうしても出てこない。清らかなさゆりになってました。
原作は1ヶ月前くらいに読んでいたので、よく理解できました。
作者のアーサー・ゴールデンは、ものすごく芸者の世界をわかっていて書き込んでおりほんとに感銘を受けました。
でも、自分が日本人だからなのか、どうしても「なぜハリウッド?」という気持ちが捨てきれませんでした。
ロブ・マーシャル監督は好きだし、映像も、出演者もみなとっても良かった。
桃井かおりにいたっては、英語はうまいし、いやらしい演技も素敵。
役所広司だって、英語は渡辺謙にひけをとらなかったよ。当然、工藤夕貴は芸達者だしね。
コン・リーは老けたけど怖いし、ミシェル・ヨーだって風格があってよかった。
でも中国人である彼女たちは、どんな気持ちだったのかなあ。
戦時中のシーンも軽くだけどあったしね。
ハリウッドでの映画化で、「Geisha」に関する考え方は変わるのかなあ。
どういう風に受け取られるんだろう。
「・・・で、それで?」って言われなきゃいいのですが。
純粋な愛の物語なのか、女の一代記なのか・・
映像の違和感とか、演出の違和感とかそういうものはぜんぜん平気なのですが
大きな意味で何が言いたかったのか、ちょっと難しいです。
情緒面なのかなあ。
中途半端な感想になってしまいました。
でも、ちびさゆりとさゆりだけ観ても惹きつけられてしまった。
それだけで見る価値はあります。