いやあ。夫婦は難しい。
他人と暮らしていくって、すごいことだよなあと思いますが、このようにつらい感情を持った夫婦とくれば、もっともっと大変でしょう。
児童文学作家テッド(
ジェフ・ブリッジス)とマリアン(
キム・ベイジンガー)は、4歳の娘ルース(
エル・ファニング)と豊かに静かに暮らしていた。その夏、作家を目指す青年エディ(
ジョン・フォスター)がテッドの助手として、彼らの元にやってくる。
テッドとマリアンは、息子二人を亡くしておりそれ以来、心が触れ合わずマリアンはルースの面倒すら見られない。
エディは美しいマリアンに魅かれ、マリアンもそのエディの気持ちに応えていく。
テッドはそんな二人を黙認し、自分も愛人とともに過ごす。
ルースは壁に掲げられた、兄たちの写真とともに時間を過ごしている。
その夏の終わり、マリアンは大きな決断をし、テッドはエディにすべてを静かに語る・・
ジョン・アービングの「未亡人の一年」という三部作の一部らしいこの映画。
いつもそうだが、彼の本は難しい。
「The door in the floor」はテッドが書いた児童書の作品名だが、恐怖の象徴として書かれていて、「あけてはいけないもの」ということらしい。
この夫婦は、息子を失った喪失感や自責をどうしていいのかわからない。
たとえその後に生まれた子供がいたとしてもだ。
テッドはマリアンの哀しみを理解している。そしてエディを与える。
マリアンはエディを受け入れながらも、石のような心は変わらない。
ひとりでいるルースは?
彼女がこのお話のキーになっている。
子供にとって、どうしていることが一番いいのか。
そこがマリアンとテッドの行動が違う方向に向っていく理由になっている気がする。
自分だったら?といういつもの問いかけを当てはめられない作品だった。
二人はドアを開けたのだろうとは思うけど。
起こってはならないことが起こった後の人間の行き方。
それが常に前向きなものになるとは限らない。
たとえ、「あけてはならないもの」でも生きてすすんでいかなきゃならない。
乗り越えるのかどうかはわからないけど・・
非常に難しい映画だった。たくさんあとから考えなきゃなりません。
気軽に映画を楽しみたい人には、ぜんぜんお勧めできず。
でも、大事なことを考えるようにできてるみたいです。
☆追伸
ルースのエル・ファニングはダコタを上回るかもしれない恐ろしい娘だった。
可愛い上にうまい。悲鳴もダコタほどきつくないしね。
まだまだあの姉妹はやらかしてくれるでしょう。
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