
原作の小川洋子さんは結構好きです。川上弘美とかも好きです。
私は、精神的にはそんなにがさつじゃないと思っていますが、なんだかちょっとうるさいやつかも知れません。興奮するしね。
小川洋子さんはきっと静かに言葉を語る人だと思います。
読売新聞の土曜版に掲載されてた「ミーナの行進」もこの作品と同様に、静かに心に染みました。そんな原作をこわさずやさしく作られた映画です。
事故の後遺症で、記憶が不自由になり80分しか記憶が残らない博士(寺尾聡)。
80分たてば、その前にあった人も初めて会った人になります。
そんな博士のもとで働くことになった家政婦(深津絵里)。
家政婦を雇った「義姉(ギアネ?)」(浅丘ルリ子)。
そして、家政婦の息子「ルート√」。
博士をめぐる静かな時間がこの4人で語られていきます。
語り部は大きくなったルート(吉岡秀隆)。数学の教師です。
原作は哀しみをたたえながら博士の心と家政婦のこころ、ルートと博士のこころの交流をやさしい「数学」とともに語っていきます。
大事なものは目に見えない・・という星の王子さまのようなシンプルなことを博士は不自由な世界から伝えていきます。
とてもやわらかくやさしい世界を、原作そのままのセリフで作り上げたこの映画。
きっと監督はこのお話が大好きなのでしょう。
何かを心に響かせようとか、しっかり伝えようとか、すごい意図をもって作っているわけじゃない気がしました。
やっぱりやさしさを感じさせてもらうのは心地よかったです。
数学は苦手ですが、博士のように教えてもらえば気がつけばすきになっているようです。
帰り道は「友愛数」を考えて帰りました。
結構、知らないことを教えてくれて興味深かったです。
いい映画でした。